さまざまな治療例

「左腰背部の痛み」と「右肩の違和感」40代女性の治療例(2021年11月)

問診

〔左腰と左背部〕
以前より、左腰が伸びない感じがする。

無理に伸ばそうとすると、その上の左背中から肩甲骨の内側にかけて攣りそうな感じがする。

〔右肩〕
以前より、プールで泳いでいると、右肩が上手く動いていないように感じる。

右腕を挙上すると、肩関節の辺りから「ゴリッ」という音がなる。
日常生活には支障はない。

動作確認

まずは立ち姿を見てみましょう。
左側に身体が傾いています。
左股関節で身体を支えている様子が見られます。

腕をあげてみましょう。
右腕と頭の間に、隙間が見られます。
左腕と頭には、隙間がありません。

考察

左小臀筋が硬くなり縮こまっているため、股関節の動きに制限があるように見える。
また、骨盤が若干左下がりになっているが、これは右小臀筋で骨盤を支えることが出来ていないことが要因と推察する。

また、小臀筋の緊張で骨盤の動きが悪くなっているのを、
背部の筋肉を酷使して「よく見える」姿勢を作ってしまっている。

右肩に関しては、肩甲骨自体は動いているので、
肩鎖関節(肩甲骨と鎖骨の関節)や胸鎖関節(胸骨と鎖骨の関節)の動きに問題があるのかもしれない。

仰向けにて、全体のバランスをチェックします。
腰部から背部にかけてが、ベッドから浮いてしまっています。

また、右肩甲骨もベッドから浮いています。

施術

まずは、仰向けにて、足関節・股関節周囲、大胸筋や頭部・顎関節などにマッサージを行う。

続いて横向きにて、鎖骨が動きやくなるように、
肩鎖関節・胸鎖関節周囲をほぐしていく。

運動指導

施術後、立位での姿勢を確認すると、まだ重心の位置が左側に寄っている。

そこで、立位で「脚の横振り」を小臀筋に刺激が入るように、繰り返し行う。

再度立位での姿勢を確認すると、重心が中央に戻っていた。

右肩については、治療のみで可動域が改善している。

今後について

小臀筋で骨盤を支えることができるように、
「脚の横振り」運動を継続して行うことを指導した。

治療間隔については、継続的な治療は必要ないが、
痛みがあったり疲労感が抜けないように感じたら、早めに受診するように勧めて終了した。

術後の感想

先週は、お世話になりました。
治療を受けてみて、下記の気になっている部分がかなり楽になりました。
写真で目に見えておかしい部分がわかったのも良かったです。

また、自分がうまく動かせていない部分や動かし方を教えてもらったので、この1週間それらを意識できていると思います。

■左腰
 ・施術前
左腰が収縮している感じと、動きによっては痛みがある状態
特に、座っている時は、左に傾いている自覚があった
 ・施術後の帰り
  左腰の収縮している感じがなくなり、背中から左腰にかけての重さがなくなっていた
  歩きやすくなっていた
 ・施術後1週間
  まっすぐ座れている感じ
  歩いている時も、座っている時も以前よりも姿勢を保つことが楽である
  施術とともに股関節の動かし方を教えてくれたので、それを意識できている

■右肩
 施術前
・右肩に違和感(ちゃんとした位置にはまっていない感じ)があった
施術後の帰り
・右肩の位置が安定している感じ
施術後1週間
・安定している感じのまま。
 
施術後1週間経ちますが、夜眠るときに背中が辛かったり、右肩の位置が変な感じがして寝付けないという日は1日もなく、また、上を向いて眠れています。
また、施術を受けた日の夜と、1週間後の今日の夜に泳ぎに行きましたが、明らかに右肩の動きが良くなっていて(自然な形で右腕を前に出せている)、左腰を気にせずに泳げ、快適でした。
様子を見て、また診てもらいたいと思います。