さまざまな治療例

左膝が歩くのも困難なほど痛む80代女性の治療例(2021年11月)

問い合わせ内容

(現在の症状)
2週間前から左膝に、歩くのも困難なくらいの痛みがある。

家の片づけを急にやったのが、痛みの引き金かもしれない。
左膝小僧の上から3センチにくぼみがあり、その箇所が痛い。

11月9日に整形外科を受診し、老化と診断された。レントゲンなどの検査は行なっていない。
ブロック注射をしてもらい、血行をよくするため「貧乏ゆすり」をしたり「横になって足をあげる」ように言われている。処方された痛み止めを服用し、痛い場所に湿布薬を貼っている。

痛み止めが効いたのか、すり足ながらもキャスター付きの椅子につかまって家の中を移動することができるようになっている。

(既往歴)
1971年:アキレス腱断裂手術
1996年:左足首骨折
2012年:腰脊柱狭窄症。外科手術により、脊柱をチタンで固定
2021年:肺塞栓症のため3週間入院

詳細ありがとうございます。

あくまで推測ですが、足首骨折の既往・脊柱の固定を行なっている事を考えると、
股関節周囲の機能低下により、本来股関節が担う役割まで膝関節が行なっており、膝関節の負荷が大きくなっていることが原因のように推測します。

整形外科の運動療法を指示されているので、炎症もないようですね。
股関節と足関節の機能向上を目指しすことで、膝関節の負担を軽減させる治療になると思います。

施術当日

(問診と触診)
左膝の膝蓋骨の下が、立って体重をかけたときに痛む。
「左内くるぶし」と「アキレス腱」の間にある骨折の手術痕の辺りが痛む。
左脚を持ち上げようとすると、鼠蹊部の奥の方に鈍い痛みがある。

椅子に座った状態での膝の屈伸には痛みはない。触診をしても強い熱感はない。
やはり、急性炎症は無い様子。
左外反母趾がひどく。足底のアーチが低下しており、扁平足になっていることが気になる。

(施術)
仰向けと横向きで、マッサージを行った。
仰向けで足趾・足首・ふくらはぎと、軽い刺激で揉みほぐしていく。

やはり、足底の筋肉につながる下腿内側に痛みがあるとの事。

外反母趾により足底内側で身体を支えることが出来ずに、
足首が内側に折れてしまっていることが、
足首骨折の手術痕周囲の痛みの原因のようだ。

筋肉が緩んでくると、マッサージの刺激が心地よい様子。
足底と足関節が緩んだところで、膝関節周囲と股関節周囲もほぐしていく。
次に、横向きの姿勢で臀部の筋肉を心地よい程度の刺激でほぐしていく。

60分程で、施術を終了する。

(運動指導)
左脚にしっかり体重を乗せて立つことができるようになった。
その場で足踏みをしてもらうと、問題なく膝が曲がる。
ただし、膝蓋骨下の違和感は残っているとのこと。

ステップ台を使って動作の確認を行うと、大腿四頭筋(太ももの前面)と膝関節に負担が大きい動きを行なっている。
そこで股関節(臀部)を使った階段の上がり方の指導、その場足踏みなどの補強運動の指導を行う。

すると、みるみる間に動きが良くなって、膝蓋骨下の違和感も気にならない様子。

(ご本人の感想〔ご家族が代筆〕)
・当初は触診と今後の施術方針の説明で終わるくらいかな、と思ってきたのに、丁寧にマッサージをしてもらい、短時間で効果を実感できる施術に驚いた。
・いままで整体や整骨院でマッサージを受けたが、痛いことで効果があるかのような施術だった。土屋先生は、とても繊細な指の動きで、丁寧にマッサージをしてもらったのは初めての体験だった。
・つかまるものがないのに立てて、踏み台を昇降できたのは自分でも驚きだった。痛みも軽減していたのは今でも不思議。
・お話の仕方も穏やかで、とても聞きやすい。説明内容も丁寧でよく理解できた。
・腰、股関節、膝、足首、足指にいたる関係の説明が大変分かりやすかった。
・膝の不調、痛みの原因が過去の手術に関係していたこと、手術のため、歩き方にひざを悪くする要因があったことが思い当たる節があり、自分の足の状態がよく分かった。
・長い期間の通院を勧められることを覚悟していたが、症状が出たら予約してきてください、とのことで、通院の重い負担の予想がはずれた。
・家での運動過ごし方の説明アドバイスも懇切丁寧で、自分の足の構造と改善をイメージしながら取り組めるので、日常生活も改善すると思う。
・全般的に懇切丁寧、紳士的な対応で信頼のおける対応でした。