さまざまな治療例

【膝の脱力感】

スキーブーツで歩いていて、くぼみに左足を取られた。

その後から、膝にうまく力が入らない。

という、高校生が来院しました。

スキー場での出来事ですが、痛めた後も滑って来たとのこと。

さすが高校生

まずは、椅子に座った状態で、状況の確認。

触診をすると、膝関節には炎症なし。屈伸・回旋動作は、自動運動・他動運動ともに障害なし。

ん?なんだ??

もう一度、細かく問診をする。

窪みの先がコンクリートの壁(階段上の段差)で、つま先がコンクリートにぶつかって、足首がロックした。完全に「棒立ち」になり、全体重が左膝に乗り、膝関節が過伸展した状態になった。

ここで、ピンと来ました。

股関節を確認すると、中臀筋・小臀筋・内転筋・腸腰筋に圧痛あり。

「くぼみ」と「スキーブーツ」により足関節がロックした状態に。膝関節は完全に伸び切って、こちらもロック。

これらにより、股関節に力が集中。

大腿骨が前方に飛び出るような力が加わったことにより、周囲の筋肉が瞬間的に伸ばされたと推測しました。

急激に伸ばされた筋肉は、瞬間的に縮こまる性質(伸張反射)があります。そのため、股関節(骨盤と大腿骨の関節)の隙間が狭くなり、運動制限が起きていました。通常の股関節の屈伸運動ができなくなったことが、膝関節の脱力感につながったと思われます。

当日は、股関節周囲を30分ほどマッサージで緩めると、症状寛解。

その後の状態をご家族に確認すると、日常通り生活できているとのこと。

1回の施術で、終了することができました。

このように、最初の問診だけでは、大雑把な状況しか分からないことが多々あります。

そんな時は、触診や施術をしながら、何度でも状況を確認させていただいております。

同じこと、何度も聞くなよ

と思われることがあるかも知れませんが、皆様のお身体の状態を把握するために、大切なことです。

ご協力いただきますよう、お願いいたします