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四十肩・五十肩もどき

先日、背中の緊張のメンテナンスで来院した50歳代の男性の患者様。

「左手で腰を搔こうとすると、肩が痛んで手が後ろに回らない。五十肩ですかね?」とのこと。

いつもの背部の治療と共に、肩甲骨周囲の施術を行いました。

すると、一回の治療で、手が後ろに回るように。

「五十肩だと思ったから、1回で動くようになるとは思っていなかった」

と、喜んでいただきました。

「四十肩」「五十肩」は、正確には『肩関節周囲炎』といい

・腕を動かすと、肩関節に強い痛みがある

・ズキズキと強く痛む

・肩(腕)を動かなくても痛む

・寝ていても痛む

・寝れないくらい痛む

など、肩関節を動かすいくつかの筋肉が損傷し、急性の炎症が起きたことによる強い痛みの総称です。このような症状が40歳代・50歳代に多く見られることから、「四十肩」「五十肩」といわれます。

ところが、

「動かさなければ、痛まない」

「痛まないけど、思うように肩が動かせない」

「ズキズキするような強い痛みはなかった」

という症状は、急性の炎症症状がないので「肩関節周囲炎」ではありません。

これを、私は「四十肩もどき」「五十肩もどき」と説明しています。

「四十肩もどき」「五十肩もどき」は、猫背のような姿勢不良などにより、肩甲骨の動きが悪くなっていることに起因しています。

「腕を上げる」「肩を回す」という動作は、肩関節(肩甲骨と上腕骨の関節)だけではなく、
肩甲骨・鎖骨・胸椎など様々な骨が協調して動くことで、各々に負担なく大きな動きを行えます。

ところが、猫背のような姿勢不良があると、肩甲骨・鎖骨・胸椎などが動いてくれなくなります。
すると、肩甲骨と上腕骨だけで肩を動かすようになり、いつもよりも負担が大きくなります。
負担が積み重なった結果、関節内のバランスが崩れ、肩関節が思うように動かせない「四十肩もどき」「五十肩もどき」になったと考えられます。

油断してはいけないのは、「四十肩もどき」「五十肩もどき」をほおっておくと、本物の「四十肩」「五十肩」になることがある、ということです。

「四十肩」「五十肩」になると、痛みから解放するまでかなりの時間を要することになります。

「四十肩」「五十肩」にならない為にも、先述の患者さんのような痛みや症状があった場合は、早めに受診することをお勧めします。